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「教育改革のあるべき姿」
 −教育基本法改正は教育再生の第一歩−

2007/1/1

先の臨時国会で教育基本法の改正が実現しましたね。
早川 昨年11月16日の衆議院本会議で教育基本法改正案が可決され、12月15日の参議院本会議でも可決されましたので、教育基本法の改正が60年ぶりにようやく実現しました。
今回の改正では、当初自由民主党が求めていた「国を愛する心」が使われずに、「わが国を愛する態度」と規定されたのは、なぜですか。
早川 様々な議論をした上で、「国を愛する」という心情を育むことが大切だと考え、わが国を愛し、その発展を願い、それに寄与しようとするという「態度」を養うと規定することとしました。この「態度」を養うことと、「心」、「心情」を培うこととは、実質的に同じであり、与党間での合意が得られると言うことで、「態度」と明記することにしたのです。
教育基本法を変えることによって、今の世の中は変わるのでしょうか。
早川 大切なのは、国民全体の意識改革ですね。私達国民が日本の教育の在り方について真剣に議論を重ね、その中から新しい教育基本法を創りあげることができれば、本当の意味で日本の教育は変わっていくと思います。
ところで、教育にあたる教師の質の低下が大きな問題になっていますね。安倍総理は、「教師の子供の育成指導力」向上の一つの方法として教員免許更新制の導入を提唱されておりますが。このことについては、早川さんはどのように思われますか。
早川 更新制の導入は、日本の教育と教師への信頼を取り戻す方策の一つであると思っております。最近、授業がきちんとできていなかったり、児童・生徒とうまく接することが苦手な先生が増えてきています。文部科学省の発表によると、指導力不足と認定された教員は全国で566人(2004年度)、教職を去った職員も112人に増えているとのことです。可塑性に富んだ子供達に大きな影響を与える教師がそもそも教員不適格で、教員としての指導力を備えていないということは、子供達にとって大変不幸なことです。このような教師を教育現場から排除するためのシステムとして教員免許の更新制の導入を図ることは、一つの有力な方策と考えております。
平成12年12月に教育改革国民会議から教育基本法の見直しが提言され、平成15年3月に、中央教育審議会から「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」という答申がなされました。  今回成立した教育基本法の改正案は、この中央教育審議会の答申に基づくものと思いますが、簡単に改正法のポイントを説明して下さい。
早川 今回の改正の基本的な考え方は、「個人の尊厳」や「人格の完成」など、教育基本法に規定されている普遍的な理念はそのまま受け継ぎ、さらに今日重要と考えられる事柄を新たに付け加えるというものです。
新しい教育基本法に定められた「教育の目標」を具体的に説明して下さい。
早川 第1に、教養の習得、豊かな情操と道徳心の涵養、健やかな身体の育成を図る。第2に、個人の価値を尊重し、その能力を伸ばし、創造性を培い、勤労を重んずる態度を養う。第3に、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に奇与する態度を養う。第4に、生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に奇与する態度を養う。第5に日本人としての自覚を持ち、伝統や文化についてしっかりとした認識を身につける、以上5つが教育基本法が掲げる新たな目標です。
その他どのような項目が新たに付け加えられたのですか。
早川 わが国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことを新たに規定しています。その他にも「生涯学習の理念」を教育に関する基本的な理念として規定し、また、「教育の機会均等」の条文を設け、障害のある者が十分な教育を受けられるよう国及び地方公共団体は必要な支援を講じなければならない、と規定しています。また、大学、私立学校、家庭教育、幼児期の教育、学校・家庭・地域の連携協力を定める条文も新たに追加されています。
学校、家庭、地域の連携協力についてはどのように規定されているのですか。
早川 学校・家庭・地域の連携協力の条文では、学校・家庭・地域社会のそれぞれが、子供の教育における役割と責任を自覚し、相互の連携協力に努めるべきであることが規定されています。
家庭教育についてはどのように規定されていますか。
早川 家庭教育は、すべての教育の出発点です。基本的倫理観やマナー、自制心や自律心などを育成する上で家庭教育が重要な役割を果たしています。こうした点を踏まえ、改正法は、新たに一条を設けて、父母その他の保護者が子の教育について第一義的責任を有することを明確にして、家庭教育の役割を規定するとともに、国や地方公共団体による家庭教育の支援について規定しています。
そうすると今回の改正は当たり前のことを明文化しただけのようにも思われますが、なぜ野党は激しく抵抗したんでしょうか。
早川 民主党では教育基本法の改正に賛成する意見が強かったようです。しかし、共産党や社民党との野党協調体制を優先したためにあえて審議拒否、反対という態度を取ったようですね。まさに、国民不在の党利党略での審議拒否、反対ということですので、特に理屈は無かったように思います。  一方、共産党や社民党は、これまで各方面から今日の教育荒廃を招いた元凶であると言われてきた日教組と同一の立場に立っており、今回の教育基本法の改正によって国や地方自治体の権限が強化され、教育現場での日教組の支配力が低下することに対して、そもそも反対だということだと思います。その意味では教育のあり方に対する基本的立場が与党と共産党、社民党の間ではそもそも異なっていたとしか言えません。 私としては、わが国の教育の在り方を規定する教育基本法の改正については、できるだけ多くの国民の理解、支持、共感を得ることが肝要だと考えておりましたので、せめて民主党議員の方々にはその賛否を投票によって示して頂きたかったとつくづく残念に思っております。 今回の教育基本法改正は、日本の再生のための教育再生の第一歩でしかないと考えております。 これから具体的な課題について国会では審議が始まりますが、民主党議員の方々には、自らに課せられた職責の重さを深く認識し、党利党略にふりまわされたり枝葉末節にとらわれずに、堂々と正論をふりかざして政府、与党に論議を挑んで頂くことを期待しております。 私としましても、人づくりは国づくり、の原点に立って教育再生の課題に誠心誠意取り組んで参る所存です。
 
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