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2006/12/26
平成19年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度
平成18年12月19日
閣議了解
1.平成18年度の経済動向及び平成19年度の経済見通し
(1)平成18年度及び平成19年度の主要経済指標
(2)平成18年度の経済動向
景気は、消費に弱さがみられるものの、回復を続けている。
平成18年度の我が国経済は、企業部門の好調さが、雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及し、民間需要中心の回復が続くと見込まれる。
物価の動向を総合的にみると、消費者物価指数は前年比で上昇が続いているが、石油製品、その他特殊要因を除くとゼロ近傍で推移しており、また、需給ギャップはゼロ近傍まで改善している。これらのこと等から、デフレからの脱却が視野に入っているものの、海外経済の動向などにみられるリスク要因を考慮しつつ、デフレに後戻りする可能性がないかどうか、注視していく必要がある。
こうした結果、平成18年度の国内総生産の実質成長率は、1.9%程度(名目成長率は1.5%程度)になると見込まれる。(3)平成19年度の経済見通し
平成19年度においては、世界経済の着実な回復が続く下、企業部門・家計部門ともに改善が続き、改革の加速・深化と政府・日本銀行の一体となった取組等により、物価の安定の下での自律的・持続的な経済成長が実現すると見込まれる。
こうした結果、平成19年度の国内総生産の実質成長率は、2.0%程度(名目成長率は2.2%程度)になると見込まれる。1. 実質国内総生産
(i)民間最終消費支出
雇用・所得環境が改善することから、引き続き増加する(対前年度比1.6%程度の増)。
(ii)民間住宅投資
雇用・所得環境が改善することから、安定的に推移する(対前年度比0.2%程度の増)。
(iii)民間企業設備投資
企業収益の改善に支えられ、引き続き増加する(対前年度比3.6%程度の増)。
(iv)公需
歳出改革路線の強化により、公的固定資本形成は減少するものの、医療や介護の保険給付等が増加することから、概ね前年度並みとなる(実質経済成長率に対する公需の寄与度0.1%程度)。
(v)外需
世界経済の着実な回復が続く中で、引き続き増加する(実質経済成長率に対する外需の寄与度0.3%程度)。
2.労働・雇用
厳しさが残るものの改善に広がりがみられ、完全失業率は前年度に比べ若干低下する(4.0%程度)。
3.鉱工業生産
内需、外需が増加することから、引き続き増加する(対前年度比2.1%程度の増)。
4.物価
国内企業物価(対前年度比0.7%程度の上昇)や消費者物価(対前年度比0.5%程度の上昇)は、上昇を続ける。GDPデフレーターは、プラスに転じる(対前年度比0.2%程度の上昇)。
5.国際収支
世界経済の着実な回復が続く中で、輸出入とも増加する。所得収支の黒字が大きい中、経常収支黒字はやや拡大する(経常収支対名目GDP比4.3%程度)。
なお、今後の原油価格や世界経済の動向等が我が国経済に与える影響には留意する必要がある。(注1)
本経済見通しにあたっては、「2.平成19年度の経済財政運営の基本的態度」に記された経済財政政策を前提としている。
(注2)
世界GDP、円相場、原油価格については、以下の前提を置いている。なお、これらは、作業のための想定であって、政府としての予測あるいは見通しを示すものではない。
(備考)
1.世界GDP(日本を除く)は、国際機関等の経済見通しを基に算出。
2.円相場は、平成18年11月1日〜11月30日の1か月間の平均値(117.3円)で以後一定と想定。
3.原油価格は、平成18年9月1日〜11月30日の3か月間のスポット価格の平均値に運賃、保険料を付加して以後一定と想定(61.1ドル)。(注3)
我が国経済は民間活動がその主体をなすものであること、また、特に国際環境の変化には予見しがたい要素が多いことにかんがみ、上記の諸計数はある程度幅を持って考えられるべきものである。
2.平成19年度の経済財政運営の基本的態度
政府は、「成長なくして日本の未来なし」の理念の下、「戦後レジームからの新たな船出」を行うため、イノベーションの力とオープンな姿勢により、今後5年間程度で「新成長経済への移行期」を完了するものとする。
その初年度である平成19年度においては、「創造と成長」の実現を図るとの方針の下で、成長力強化に向けた改革を加速・深化させるとともに、併せて地域経済の活性化や再チャレンジ可能な社会を目指すための取組を強力に推進する。「成長なくして財政再建なし」の理念の下、成長力強化を図りつつ、車の両輪である行財政改革を断行する。また、道州制の実現のための検討を加速する。「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」等を踏まえ、こうした取組を進めることにより、経済活性化を実現し、日本経済の潜在成長力を高める。また、政府・日本銀行は、マクロ経済運営に関する基本的視点を共有し、物価安定の下での民間主導の持続的な成長のため、一体となった取組を行う。
今後とも、経済情勢によっては、大胆かつ柔軟な政策運営を行う。
上記の経済見通しの前提となる主要な経済財政政策は以下のとおり。
○成長力強化
日本経済の潜在成長力を高めるための改革に大胆に取り組む。「経済成長戦略大綱」等の推進を図るとともに、国内の構造改革と一体的に経済連携協定(EPA)・WTO等の対外経済政策の展開を加速・強化する。「アジア・ゲートウェイ構想」を推進する。
○地域経済の活性化
「地域活性化策に関する政府の取組について」(平成18年11月24日)に基づき、地域による独自の取組を政府が一体となって支援する。また、「地方分権改革推進法」の着実な実施等により地方分権を推進する。
○再チャレンジ支援
平成18年末までに取りまとめられる「再チャレンジ支援総合プラン」(仮称)に基づく支援策を総合的に推進する。
○歳出改革
「平成19年度予算編成の基本方針」(平成18年12月1日閣議決定)等を踏まえ、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出改革路線を強化する。
○行政改革
政策金融改革に関連する法律案を次期通常国会に提出するとともに、「道路特定財源の見直しに関する具体策」(平成18年12月8日閣議決定)に基づく見直しを行う。
○規制改革
市場化テストの拡大を図るとともに、教育、雇用・労働、医療、福祉・保育等の分野における規制改革・民間開放を推進する。
○税制改革
「平成19年度与党税制改正大綱」(平成18年12月14日)を踏まえ、減価償却制度、住宅税制等について、所要の措置を講じる。
○社会保障制度改革
将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築するための制度全体を捉えた一体的見直しの議論等を踏まえ、平成19年度には、雇用保険その他の分野の制度改革等に取り組む。