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第1 国民投票法本則施行までの検討課題について 〜いわゆる「3つの宿題」〜
 
1 18歳選挙権実現等のための法整備が必要
 〔参照条文〕日本国憲法の改正手続に関する法律
 

(投票権)
第3条 日本国民で年齢満18年以上の者は、国民投票の投票権を有する。
(法制上の措置)
附則第3条 国は、この法律が施行されるまでの間に、年齢満18年以上満20年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう、選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法(明治29年法律題89号)その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする。
2 前項の法制上の措置が講ぜられ、年齢満18年以上満20年未満の者が国政選挙に参加すること等ができるまでの間、第3条、第22条第1項、第35条及び第36条題1項の規定の適用については、これらの規定中「満18年以上」とあるのは、「満20年以上」とする。

 
(解説)
1 投票権者の年齢要件は、本則では「満18歳以上」としております。(3条)。
2 これに伴い、本法施行までの間に、年齢満18年以上満20年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう、公職選挙法、民法その他の関連法令について、検討を加え、必要な法制上の措置(法改正)を講ずる必要があります。(附則3条1項)。
3 ただし、必要な法制上の措置(法改正)を本法施行までの間に講じた場合であっても、その施行・運用が本法施工後となることはありえます。 そこで、改正公職選挙法等が施行され、18歳選挙権等が実現するまでの経過期間においては、本法の投票権年齢も20歳以上とする経過措置を設けております。(附則3条2項)。
4 当面公職選挙法に定める選挙権を有する者の年齢を18歳以上とすることと、民法に定める「成年」の年令を同じく18歳とすること、の二つの点に絞って検討する必要があります。
 
 
2 公務員の政治的行為に係る法整備が必要
 〔参照条文〕日本国憲法の改正手続に関する法律
 

(公務員の政治的行為の制限に関する検討)
附則第11条 国は、この法律が施行されるまでの間に、公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、公務員の政治的行為の制限について定める国家公務員法(昭和22年法律第120号)、地方公務員法(昭和25年法律第261号)その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする。

 
(解説)
1 憲法改正のための国民投票運動を公務員の政治的行為制限の対象に当たるとして一律に規制することに私は反対です。 国会によって憲法改正の発議がなされているのに、これに対して公務員が何もコメントしないなどという事態は考えられません。 したがって、どのような態様での言動なら許されるのか明らかにする必要があります。
2 国家公務員と地方公務員では政治的行為の制限の態様や範囲が異なっておりますので、その整合性を図る必要もあります。
 
 
3 国民投票の対象拡大についての検討が必要
 〔参照条文〕日本国憲法の改正手続に関する法律
 
 

(憲法改正問題についての国民投票制度に関する検討)
附則題12条 国は、この規定の施工後速やかに、憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票制度に関し、その意義及び必要性の有無について、日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。

 
(解説)
1 法では、いわゆる「一般的国民投票制度」を直ちに導入することはしておりません。
2 ただし、対象を個別の憲法問題に限定した諮問的・予備的国民投票制度(「憲法予備的国民投票制度」)に関しては、今後、その意義及び必要性の有無について検討を加えるべき重要事項として、附則に明記しているところです(附則12条)。
3 そこで、諮問的・予備的国民投票制度を導入するかどうかについての検討をすることとなりますが、私は諮問的なものであれば、認めて良いと考えております。
4 脳死・臓器移植問題や死刑廃止問題、事業承継問題、夫婦別姓問題等国民の意見を十分踏まえて詳細な制度設計に入った方がより国民の納得が得られる良い制度改正を図れることも多いと思われます。
5 民主党が提案していた「日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案」(民主党修正案)は、下記のとおり提案しております。  私は、この修正案の趣旨を活かして検討を進めてはいかがかと考えております。
 

(趣旨)
1 この法律は、日本国憲法第96条に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)についての国民の承認に係る投票(以下「憲法改正国民投票」という。)に関する手続き及び国政における重要な問題のうち憲法改正の対象となり得る問題、統治機構に関する問題、生命倫理に関する問題その他の国民投票の対象とするにふさわしい問題として別に法律で定める問題に係る案件(以下「国政問題に係る案件」という。)についての国民の賛否の投票(以下「国政問題国民投票」という。)に関し定めるとともに、あわせて憲法改正の発議及び国政問題に係る案件の発議に係る手続きの整備を行うものとする。

 
 
第2 憲法審議会の審議は何故始まらないのか。
 
1 はじめに
 憲法審査会は、憲法と憲法関連基本法制について広範かつ総合的に調査し、憲法改正原案等を審査するために、衆参両院に置かれた常設機関です。平成12年1月から5年余にわたり調査を行ってきた憲法調査会の後継機関として、憲法改正国民投票法により設置されました。
 
2 憲法調査会が発足すると、何ができるようになるのですか?
 1 憲法等の調査
  国の基本法たる憲法について、改正を視野に入れた論議ができるようになります。
 

(趣旨)
1 この法律は、日本国憲法第96条に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)についての国民の承認に係る投票(以下「憲法改正国民投票」という。)に関する手続き及び国政における重要な問題のうち憲法改正の対象となり得る問題、統治機構に関する問題、生命倫理に関する問題その他の国民投票の対象とするにふさわしい問題として別に法律で定める問題に係る案件(以下「国政問題に係る案件」という。)についての国民の賛否の投票(以下「国政問題国民投票」という。)に関し定めるとともに、あわせて憲法改正の発議及び国政問題に係る案件の発議に係る手続きの整備を行うものとする。

 
 2 憲法改正原案の起草・審査
  憲法改正原案の起草や審査ができるようになります。
 

 わが国の輝かしい未来像を描くための憲法改正に関する核心的な議論は、改正原案の提出の前後を通じて、まさにこの憲法審査会で集中的に行われるのです。このような場が国会に設置されたのは、現行憲法下で初めてのことです。  この過程では、衆参の憲法審査会は、それぞれ独立の手続きの下で、同じ憲法改正原案を異なる視点から繰り返し慎重に審査することになります。また、国民の意見を反映させるため、請願を受け付けるほか、公聴会の開催が義務づけられます。

 
 3 憲法改正国民投票法の調査・審査
  憲法改正の発議や国民投票に関連する法制度について、調査と法律審査ができるようになります。
 

 当面は、憲法予備的国民投票(憲法改正についてあらかじめ国民の意見を聴いて参考にするための国民投票)など、憲法改正国民投票法の附則で検討事項として挙げられた点について、精力的な議論が行なわれる予定です。

 
3 憲法審査会での調査は始まっているのですか?
 残念ながら始まっていません。憲法審査会を始動させるためには、委員の数や定足数などを定めた「憲法審査会規定」を定める必要があります。 しかし、民主党をはじめとした野党は消極的な態度に終始し、本来であれば昨年8月に制定されるべきであった規程が、衆参ともにいまだ制定されていません。これは、国会が自ら定めた法律に違反する異常な事態です。 国民の負託を受けた国会が違法状態を放置し、憲法問題への対応を放棄することは、断じて許されません。
 
4 憲法審査会の発足が遅れるとどのような弊害がありますか?
 平成22年5月までの調査専念期間のうち、かなりの期間を空費しています。 党派の利害を超えた冷静な憲法論議が期待される貴重な期間が浪費されるばかりではなく、現に生じている憲法問題への対応を国会が放棄することになり、国会は国民の信頼を失うことになりかねません。
 
世界各国の選挙権年令及び被選挙権年令の一覧
 
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