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日税連規制改革対策室常任委員・宮川雅夫 | |
本年2月27日より、国税不服審判所は、税理士等の民間専門家を国税審判官に任用するための公募を行っている。 国税不服審判所が、このような改革に着手した背景には、自由民主党の司法制度調査会における議論があった。 「司法制度調査会」は、政務調査会長のもとに設置された調査会の一つであるが、ここ数年の司法制度改革について、政治の側から強力なリーダーシップを発揮してきた実績を持っている。 現在、司法制度調査会(臼井日出男会長)には五つの委員会が設けられており、その一つである「経済活動を支える民事・刑事の基本法制の整備に関する小委員会」(棚橋泰文小委院長)において、準司法手続の改革について議論されているが、国税不服審判所も、行政不服審判型の準司法手続きの一つであることから検討の対象とされている。 日税連は、昨年11月15日の司法制度調査会の分科会(主査=萩原誠司議員)で、「国税不服審判所の在り方についての意見」を陳述した。 池田隼啓副会長は、国税不服審判所が納税者にとって有用な機関であるとの認識を示した上で、時代に適合するための改革の必要性を訴えた。 特に、国税不服審判所の基本理念及び公正手続き確保の観点から、執行機関と裁決機関との分離を明確化するために次の点を強調した。 第一に、執行機関(国税局・税務署)の職員からのローテーション人事の是正を求めた。 第二に、税理士を審判官に任用することを要望した。 もとより、法令は、弁護士・税理士等の民間専門家が国税審判官の認命資格を有する旨を規定しているが、現実には、国税審判官のほとんどが税務行政の執行系統に属していた国家公務員である。 このような事態を是正し、国税不服審判所の第三者性を強化するために、民間の専門家とりわけ税理士を審判官として活用すべきである。 この意見陳述に対して、多くの自民党議員から次ぎのような賛意が表明された。 「税理士会の意見は明快でありいずれも妥当なものである。特に、国税不服審判所が第三者性をもつべきであるという意見は重要であり、この点について人事・権限・審判官任用の面から述べられた意見は当然の主張ある」(早川忠孝議員) 一方、国税不服審判所は、「審判官の任用について意見があったが、審判官の実務は法解釈だけでなく事実認定を行わなければならないので、民間専門家を任用することは難しいと考えている」あるいは「人事ローテーションの話があったが、職員はそれぞれの立場を踏まえて仕事をしているので問題はない」等の反論が述べられた。 しかし、議員側からは、「そのような説明では国民は納得しない。事実認定の実務は役人しか出来ないというのはおかしい。必要なら弁護士を任用してもよい」(柴山昌彦議員)や、 「審判所の説明は納得し難い。特に、執行機関を分離しなければならないという点をもっと考えるべきだ」(早川忠孝議員)等の意見が示された。 このような経緯を経て、国税不服審判所は、制度創設以来はじめて、民間専門家を審判官に任用する方針を決めたのである。 自民党における議論が契機となり、国税不服審判に改革の兆しが見えてきた。 日税政・日税連は、従来から、「国税不服審判所の機構を改革するとともに、税理士を審判官として積極的に活用すること」を求めてきたが、いよいよこの要望が実現することになる。 いずれにしても、国税不服審判所が、納税者救済機関としての国民の負託に応えるため、その第三者性を強化するための改革に着手したことに対して、税理士界全体として積極的に対応していかなければならない。 (出典 平成19年4月1日付け 日本税制連会報) |
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