自民党 衆議院議員 早川忠孝 ウェブサイト

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教育改革のあるべき姿について
 

2006/12/01

先の通常国会で継続審議になっていた教育基本法改正法案が衆議院を通過し、参議院で審議入りしていよいよこの臨時国会で成立しそうですね。野党がこの法案に真っ向から反対の意思を示したことについてはどうおもわれますか。
早川 11月16日の衆議院本会議で教育基本法改正法案の採決が行われ、野党不在のまま採決が行われました。民主党は教育基本法にそもそも反対と言っている共産党や社民党と共同歩調をあわせ、審議拒否に転じ、教育基本法に関する特別委員会や衆議院本会議を欠席しました。例え法案に反対であっても、国会議員としては、審議の場に出席し、堂々と自らの意見を述べるべきであって、欠席といういわば職務放棄をしたことは誠に残念です。
教育を巡っては、高校生の必修単位の未履修問題、いじめによる自殺の問題など何かと話題になっています。教育基本法の改正法案が通過することによって教育現場が変わり始めることを期待したいと思います。
早川 教育に関する数々の問題点が明らかになった今こそ、わが国の「教育の再生」という課題に国民全体で取り組むべき問題であると思います。
なるほど。学校や教師だけではなく、多くの国民が教育に対して問題意識を持つことが大切なのですね。では、「教育の再生」とはいったいどういったことなのでしょうか。例えば、小学校から大学までの「6・3・3・4」の学校制度を見直すことといった大きな改革も視野に入ってくるのでしょうか。
早川 「教育の再生」は、国家の長期的な展望に立ち、あらゆる論議が尽くされた上で、遂行されなければならない課題です。小学校から大学までの「6・3・3・4」の学校制度の見直しも、現在取り上げられてきております。重要な事は、一人一人の国民がその能力や希望、更にはそれぞれの目標に向けての努力に応じて様々な生き方を選択できるような、ひとりひとりの個性と可能性を尊重する教育、ひとりひとりが社会人として自立することのできる力を育てる多様で柔軟な教育、つまり国民が現在求めている多様なニーズに応えるような新しい教育制度を構築しなければならないということです。
早川さんはどのような学校制度が好ましいとお考えですか。
早川 現在、わが国の中学生の進学率は約97%で、望めばほぼ全員が高校に入れる「高校全入時代」となりました。大学や短大、専門学校などの高等学府への進学率も60%を超え、「6・3・3・4」の学校制度が制定された当時の社会的環境と比べ大きく変化しました。このような状況を考慮しながら、学びたいものに更なる機会を与えるような教育環境の整備を行うことが重要だと思います。更に、基礎学力の他に社会人としての生活能力を習得させる教育や、知識を補う必要がある子供たちに対しては、補習の場などを提供する、今日の時代に合った総合的な学校制度を実現する必要があります。
多くの生徒が上級学校や大学に進学している中、高校の必修科目の未履修問題の発覚で、多くの高校が受験に合格するためだけの勉強をさせていることが明らかになりました。受験偏重の学校教育は良い教育とは思えませんが。
早川 その通りですね。学校とは本来、基礎学力はもちろんのこと、人間としての全人格形成の場であって、単に上級学校への進学のための過渡期ではないのです。高校に限らず、多くの学校が本来の教育の理想からかけ離れて、受験合格という結果だけを求める、「かりそめの教育」の場になってしまったことはとても残念です。
ある大学の入試では、一科目を受験するだけで合否を与えるところがあります。このような入試では、生徒の本当の学力を判別できるのかと疑いを持ってしまいますが。
早川 確かに、専門的な知識に優れていることは、とても良いことであると思います。しかしながら、大学という上級学校は高校までの総合教育が基礎となって、その先にある学究の場であるべきだと思います。様々な知識を有してこそ、上級学校で学ぶ資質があるといえるのではないでしょうか。
ところで、教師の教育力不足、不適格教員の問題が表面化してきましたね。子供たちを教え導く立場にある教員に問題はないのでしょうか。
早川 最近では、学校崩壊など教育現場の荒廃が問題視されており、教師の指導力が問われています。とりわけ、成り立ての教員は採用の試験は通っても、実際の学級の運営知識は全く白紙と言ってよいと思います。ベテランの教員と新任の教員がペアを組んで、知識と経験を補完し合いながら学級運営をしていくことも一つの手であると思います。
学級崩壊の原因は教師だけに問題がある訳ではなく、子供たちにも原因があるのではないでしょうか。
早川 小学校のとりわけ一年生などの低学年は、学級運営が非常に難しいと言われております。小学校入学前に児童それぞれが幼稚園、保育園といった教育方針が様々な場所に在籍していたために、入学後にまとまりのない行動をする児童が増えてきました。そのため、小学校入学前に「集団教育」などの適切な一貫性のある就学前教育を充実させることを検討することも必要であると思います。
子供を集団の中の一員としてしつけることは本来、親の役目であると思います。しかし最近では親のあり方が変わってきたようにも思いますが。
早川 そうですね。昔は悪いことをすると子供はしっかり叱られたものですが、最近では子供を叱ることのできない親が増えてきたように思います。子供が「公教育を受けられる」ようにするための準備教育を施すことはそもそも親の義務ですが、その義務を放棄する親が増えてきたことは事実です。その親の役目を誰が担うのかを今後しっかりと検討していかなければならないと思います。
「教育の再生」が進められている中で、今後どのようなことが新たな課題となってくるでしょうか。
早川 日本の教育の新たな課題としては、時代に沿った教育をすることが求められて来るでしょう。具体的にはグローバリゼーションが進む中、世界で活躍できるような子供達を育てることです。
英語教育などはその際たるものなのですね。
早川 英語は国際コニュニケーションの手段として、わが国の若者が日本の文化を広く世界に発信するためには必要不可欠なものとなっております。英語を小学校から義務化する、高レベルの英語教育を推進するなど、今後更にわが国の国際化に向けた英語教育の比重は高まってくると思われます。
現在、インターネットによって瞬時に大量の情報が得られるような時代となりました。情報の中にも良い情報や、そうでない情報がさまざまあります。子供たちには情報社会の中でさまざまな情報を健全に受容できる能力を育てることも時代に合った教育といえるのではないでしょうか。
早川 現在、インターネットによって瞬時に大量の情報が得られるような時代となりました。情報の中にも良い情報や、そうでない情報がさまざまあります。子供たちには情報社会の中でさまざまな情報を健全に受容できる能力を育てることも時代に合った教育といえるのではないでしょうか。
昨今まで、世界の中で最も優れた教育制度であり、多くの国々で日本の教育を参考にしてきたと言われてきました。今後の日本、そして子供たちのためにより良い教育が再生されることを願っております。
早川 教育基本法の改正法案の成立によって、日本の「教育の再生」への大きな歯車が動き出します。国の根幹は教育にありと言われているように、教育の再生は国の再生でもあります。この再生への大きな動きを止めることなく、次の世代を担う子供たちのために、更なる教育の前進に励みたいと思います。
 
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