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皇室典範改正について(2)

2006/09/19

皇室に41年ぶりにお生まれになった、秋篠宮ご夫妻のお子様のお名前が「悠人」(ひさひと)さまと決まりました。どのような思いがこめられているのでしょうか。
早川 秋篠宮ご夫妻が「ゆったりとした気持ちで、長く久しく人生を歩んで欲しい」という思いを込められたそうです。通常皇室に生まれる男のお子様には、歴代天皇のお名前と重ならない「仁」が付く2文字が慣習となっております。
皇位継承順位が第3位のお子様が生まれたことで、皇室典範の改正論議が落ち着いたのではないですか。
早川 確かに、男のお子様がご誕生されたことで、当分の間は現在の皇室典範における皇位継承の問題は無くなったと、国民の皆さんは安心なさるかもしれません。しかし、様々なことを考慮し、不安定な皇位継承を行わないためにも、皇室典範の早急な見直しが行われることが望ましいと考えます。
男子のお子様が生まれた現在の皇室を考えるにあたって、もっとも大切な問題は何なのでしょうか。
早川 皇位継承者にとって天皇になるための教育、すなわち「帝王学」をいつから始められるかが最も重要な問題となります。今の天皇の初の孫世代の男子のお子様である悠仁さまは、現在の皇室典範の規定では、将来天皇に即位する可能性が極めて高く、それを前提とした教育がなされるでしょう。しかし、皇太子ご夫妻に男子のお子様がご誕生なった場合や、皇位継承者に不測の事態が起きた場合を想定し、安定した皇位継承がなされる仕組みを構築するべきであると考えます。
やはり歴代の天皇や、現在の天皇陛下、皇太子殿下もやはり天皇に即位するものとして相応しい教育をされてきているのですか。
早川 皇位継承者は、天皇となるための立ち居振る舞いやしつけを学ばれたり、歴代天皇について学ぶなどの帝王教育が施されます。その他、古代より皇室にて執り行われてきた神事など、天皇となるために学ばなくてはならないことがたくさんあります。
なるほど。身の回りのお世話をする職員数や、生活費など、皇太子家と秋篠宮家には大きな違いがあると、新聞などで報道されていますが。
早川 宮家で皇位継承者が帝王教育を施されたことはない上に、皇太子家と比べ、通常の宮家である秋篠宮家には大きな制約があります。皇位に就く可能性の高い悠仁様がご誕生になったことで、宮内庁は秋篠宮家への支援態勢の強化を発表しましたが、さらに十分な態勢づくりをしっかりとしていかなければなりません。
皇室典範についてわかりやすく教えてください。
早川 皇室典範とは、皇室の皇位継承順位など、皇室の構成や制度について記された法律です。皇室典範は憲法の下位にある法規範とされており、他の法律と同様に、その制定および改正は、国会によって行われます。
戦前の大日本帝国憲法下にも皇室典範はあったのですか。
早川 戦前の旧皇室典範は、大日本帝国憲法の下位規範として制定されたのではなく、いわば大日本帝国憲法と同格の地位にありました。旧典範の改正は、皇族会議および枢密顧問の諮詢を経て勅定され、帝国会議の協賛や議決を必要とされておりませんでした。したがって、旧皇室典範は国民とはおよそ遠い存在でした。
それでは、明治以前は皇室典範のような皇族に関する法律はなかったのですか。
早川 皇室典範のように国民の目に見えるような法律になったのは明治以降のことです。それまでは、皇位継承や天皇の行為などは慣習に基づいたもので、その時々の時代の情勢に合うようにかたちづくられてきました。男子男系による皇位継承は、旧皇室典範によってはじめて明確に定められたと言えます。
確かに、過去には8人10代の女性天皇がいましたよね。ではなぜ男系男子の皇位継承と限定されてしまったのでしょうか。
早川 皇室の祖先とされる天照大御神が女性であるとされているように、本来日本は母系・女性主義の国でありました。ところが、大陸との交流によって男尊女卑の思想や風習が流入し、封建社会であった鎌倉時代から江戸時代末期までに、男系主義が定着したと考えられます。しかし、日本の女性尊重の伝統を否定することなく「中継ぎ」としての役割ではありますが、女性天皇を認めてきました。
憲法の第1章である第1条から第8条までは天皇についての規定が記されていますね。その中で第2条は「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と記されていますが、憲法では女性天皇を制限してはいないのですね。
早川 そうです。日本国憲法第2条は、天皇は世襲である旨を規定しておりますが、皇位継承者の性別に関しては触れておりません。しかし、本当の問題は、女性が天皇に就くことではなく、女性天皇の子どもが天皇になると、女系による皇位継承となるというところにあります。
現在までの皇室の歴史の中で女系による皇位継承はあったのですか。
早川 過去の8人10代の女性天皇はいずれも男系の女性天皇であって、その子供が天皇になったことはありません。現在まで男系による皇位継承が続いているのです。
なぜこのように安定した男系の皇位継承を行ってこれたのですか。
早川 安定した皇位継承には二つの大きな仕組みがありました。一つは、天皇に直系の男子に恵まれなかったときは、皇統を遡って皇位継承者を出す「傍系制度」であり、もう一つは多くの子孫を残すための「側室制度」です。傍系制度は現在も続いていますが、側室制度は、皇太子時代に海外への留学を経験し、海外の世相や王室の現状を見聞された昭和天皇が廃止を宣言され、現在に至っております。側室制度は、現在の日本においては明らかに公序良俗に反するものとみられ、側室を置くことによって皇統を維持しようなどという考えは、もはやどなたも主張されないのではないかと思います。
私もそう思います。すると皇位の継承の道がずいぶん狭くなってしまいますね。ところで、早川さんは男系か女系か、いずれが好ましいとお考えですか。
早川 天皇の「男系維持」か「女系容認」かについては、一概にどちらが正しいとは言い切れません。歴史的事実や時代背景を考慮しつつ、慎重かつ丁寧に議論を進めていくべきだと思います。伝統や歴史を尊重する観点からはできるだけ男系男子によって皇統を維持する方策を検討するべきですが、どうしても皇統の維持ができないような事態が生じた場合は、皇族会議の決定によって、「女性天皇」あるいは「女系天皇」も認めることができるような弾力的な仕組みを作っていく必要があるのではないかと思っております。
皇室典範に関する様々な問題は、日本の歴史や伝統、国民の思いが凝縮されたとても難しい問題ですね。
早川 大事なことは、本当に国民から愛され、尊敬される象徴天皇制を維持するための安定した基盤を構築するためにはどうしたら良いかということです。自分の意見に反対しているからといって、その意見を述べている論者に対して品位のない非難・口撃を行ない、結果的に「象徴天皇制の権威」をおとしめてしまうようなことがないよう、十分配慮すべきだと思います。
 
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