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国際社会と北朝鮮のミサイル発射について

2006/07/21

北朝鮮のミサイル発射は、世界に大きな波紋を及ぼしました。15日、国連の安全保障理事会で北朝鮮への制裁措置のない決議が採決されましたが、どのような内容の決議ですか。
早川 この度、採択された決議は、北朝鮮のミサイル発射を「地域の平和、安定、安全を危うくする」として非難し、「安保理の特別の責任」のもとで、ミサイルの開発・試験の禁止、発射の凍結などを要求するとともに、6か国協議への即時無条件復帰を強く促している内容となっています。
それまで日本や韓国など8カ国が共同提案していた北朝鮮への制裁決議は、なぜ中国・ロシアが北朝鮮への制裁決議に反対したのですか。
早川 中国の政府高官の話によると、中国が反対する理由は、?6カ国協議のプロセスが崩れ、北朝鮮が交渉に一切応じなくなる可能性があることや、?制裁決議によって安全保障理事会の分裂が深まること、?制裁発動により、北朝鮮が国際社会からますます孤立してしまうことを回避しようとしたようです。
わたしたち国民としては、これ以上北朝鮮が傍若無人に振舞わないように国際社会は強い姿勢で臨むべきだったと思います。15カ国のうち13カ国以上の賛成を得ていながら、なぜ安全保障理事会は制裁決議の採択ができなかったのですか。
早川 安全保障理事会の決議は、単なる多数決ではありません。?15カ国の理事国のうち9カ国以上の賛成と、?アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアの5カ国の常任理事国が拒否権を発動しないことが前提となっています。決議に反対であっても、拒否権を発動せずに「棄権」するならば決議は採択されます。
そういえば、8年前にも北朝鮮から発射されたテポドンが、日本の国土を越えて太平洋に落下する事態がありました。そのときの国連はどのような反応を示したのですか。
早川 8年前にも、同じように中国が安保理への協議に難色を示し、決議は議長声明ではなく公式記録に残らない報道向け声明に留まりました。今回の7発ものミサイル発射は明らかに国際社会への挑戦であり、制裁措置を含まない決議が採択されましたが、今後も各国の連携のもとに、国際社会の平和を乱す国家に対しては、毅然とした態度を取らなければならないと考えております。
今回の相次ぐミサイル発射には、北朝鮮のどのような思惑があるのでしょうか。
早川 北朝鮮は、アメリカの金融制裁への反発や、核開発問題を協議する6カ国協議への復帰を否定している中で、アメリカや日本を牽制する狙いがあるものと思います。
アメリカの金融制裁の内容を詳しく教えてください。
早川 昨年9月に北朝鮮の偽ドル札作りの発覚に伴い、アメリカは、北朝鮮の武器の輸出や覚せい剤の密輸などの犯罪行為によって得た資金の主要な取引先であるマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」とアメリカ系銀行との取引停止を発表しました。凍結した総額は約53億円にものぼるとされおり、流入を凍結された北朝鮮は国際決済が完全にマヒし、アメリカに金融制裁の解除を求めていました。
6カ国協議についても詳しく教えてください。
早川 北朝鮮は2003年1月にNPT(核不拡散条約)から一方的に脱退することを表明しました。NPTから離脱した北朝鮮が国際社会から孤立して核兵器開発をすすめない様に、多国間協議による解決をめざしている協議のことを6カ国協議と言います。(6カ国とは、北朝鮮・アメリカ・中国・韓国・ロシア・日本を指しています。)これまでに3回開かれましたが、昨年の6月を最後に、北朝鮮側が参加の拒否を続けており、この間北朝鮮は核開発を進めているとの情報もあります。
自民党内では、ミサイルが日本に対して確実に発射態勢に入ったときには、敵基地に対してミサイル発射がされる前にミサイル発射基地を攻撃するという「敵基地攻撃論」が出てきたと聞きました。これは憲法上可能なのでしょうか。
早川 日本政府は基地への先制的自衛のための攻撃は、1. わが国への急迫不正の侵害があり、2. これを排除するのに他の攻撃手段がなく、3. 必要最小限度の行使にとどめること。この要件を満たせば憲法上問題はない、との解釈をしてきました。日本の自衛隊は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)や長距離戦略爆撃機といった攻撃兵器を保有しておらず、実際には攻撃能力はありません。
早川さんはこの先制的敵基地攻撃論についてどう思いますか。
早川 自衛隊は、他へ攻撃せず、相手から攻撃された場合のみ、武力を行使する「専守防衛」を貫き通してきました。この先制的敵基地攻撃論は、法論理のうえでは可能ですが、私は現在の国際情勢の下で真正面から議論するような問題ではないと思っております。なによりも大切な事は、これ以上北朝鮮などの無法者国家が暴走しないための、「国際的な抑止力」を高めることです。
国際的な抑止力を高めるとは具体的にはどのようなものですか。
早川 今回の北朝鮮のミサイル発射によって、アメリカや中国など大きな軍事力を誇っていた国の威信が完全に失墜したと言わざるを得ません。いわば大国のパワーだけでは、国際社会との協調を無視し、暴走する無法者国家の行動を抑止することができなくなってきました。
現在の国際連合は1945年10月に発足し、当時51カ国の加盟国がありましたね。日本はソ連を始めとする社会主義国家の反対に遭いながらも1956年に加盟することができたんですね。現在では192カ国が加盟するに至っておりますが、国連は現在どのような機能を持っているのでしょうか。
早川 国際連合は、もともとは第2次世界大戦の戦勝国で構成された国際機関です。日本がポツダム宣言を受諾する前年の1944年に、大国の主導の基に国際連合憲章の草案がつくられ、戦後の国際秩序を安定させる目的がありました。国連は、加盟国全体の意思表示を反映する国際機関ですが、国連の安全保障理事会は、5つの常任理事国に拒否権が認められており、大国主義に偏った側面も持っております。
確か、日本は国連の運営を支えるための相当な額の資金を負担していると聞きました。もっと日本は国連の中でも発言力を増しても良いのではないのでしょうか。
早川 その通りだと思います。アメリカの22%に続いて、日本は19.5%(日本円で約400億円)の国連負担金を拠出しております。これはアメリカ以外の他の常任理事国であるイギリス(6%)、フランス(6%)、中国(2%)、ロシア(1%)の合計負担金よりも大きい額です。現在、日本は、選挙によって選ばれる任期2年の非常任理事国の一つですが、安全保障理事会でさらに大きな役割を担えるだけの能力と責任が日本にはあると思っております。
今回のミサイル発射では大国の足並みが乱れているように思います。これで果たして国連は国際社会の平和と秩序を維持する役割を担っていけるのでしょうか。
早川 現在の国連では、前述したとおり大国の思惑に反するような決議は出来ない仕組みとなっております。このような仕組みの国連を見直すと共に、今日の国際社会の現状に合わせ、テロの脅威や、無法国家の行動に対処し得る力を持つ、新たな国際機構の始動が求められます。
その中で日本はどのような行動をとっていかなければならないでしょうか。
早川 アメリカとの同盟関係の強化を進めることは当然ですし、同時に、国際社会との更なる連携を深めていくことももちろんのことです。しかし、自らの国を自らの力で防衛できる力を持たない国は、国際社会において真に尊敬される国とはなりえません。わが国としては、このたびの北朝鮮のミサイル発射を契機に、ミサイル防衛のためのPAC3の配備の前倒しをするなど、日本独自の防衛体制を確立し、危機に備える国づくりを加速させるべきであると考えます。
 
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