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日本のエネルギー問題

2006/05/30

世界中で原油価格が上がっていると聞きました。日本でも、急激に石油価格が上がっています。今なぜこのような原油の高騰が起こっているのですか。
早川 イランの核開発問題をめぐる国際情勢の緊迫化を背景とした原油産出国の供給不安に加え、昨年夏にアメリカを襲った巨大ハリケーンの影響もあるようです。そして国際社会全体のエネルギー需要も高まっていることも大きな原因といえるでしょう。
石油価格の高騰と聞くと1970年代に二度起きたオイルショックを彷彿とさせますが、またあの時のようなトイレットペーパーなどの買占めなどの社会や経済の混乱が起こらないかと心配になります。
早川 オイルショックでは当時の日本経済がいかに石油に依存しているかが浮き彫りとなりました。その後、中東以外での新しい油田開発、調査が行われるようになり、原子力や風力、太陽光など非石油エネルギーの活用の模索や、また省エネルギー技術の研究開発も始まり、その結果1973年に78%だった我が国のエネルギー消費の石油依存度が、2002年には49%となりました。経済・社会への石油価格の高騰の影響が「限定的」になったことで、過去のオイルショックのような混乱は起きないと思われます。現実に国民の間に当時のようなパニック現象はありませんね。
このままエネルギーを石油に依存し続けると、いつかは石油が枯渇してしまうのではないでしょうか。
早川 石油の可採年数についてはさまざまな憶測があり、はっきりとは言えませんが、石油資源は限りあるものです。当然、使い続ければ当然いつか枯渇する日が来るでしょう。
石油に頼らないエネルギーを研究、開発していくことが大切となりますね。
早川 現在、期待されているエネルギーは原子力です。日本の発電電力量では原子力による供給が約35%と最大の比率を占めています。
海外からエネルギーの輸入ができなくなると、日本中で大停電が起こると聞きましたが本当なのでしょうか。
早川 日本国内でつくられるエネルギーは、私たちの消費するエネルギー全体の19%であり、ここから原子力発電を除いてしまうと4%しかありません。エネルギーの相当な割合を海外に依存してしまっている中で、原子力発電の存在がさらに注目されてくるでしょう。
原子力発電の他に火力発電や水力発電などがあると思いますが、原子力発電は他の発電方法と比べて、経済的であると聞きました。
早川 原子力はとても経済性に優れており、1kWhあたりの発電コストは、原子力が5.9円、石炭火力が6.5円、石油火力が10.2円、水力が13.6円と試算されています。
環境にもやさしいと聞きましたが本当ですか?
早川 原子力発電の1kWhあたりの二酸化炭素排出量は原子力が22グラム、水力が11グラム、石炭火力が975グラム、石油火力が742グラムとなっており、環境問題が日本に限らず地球的規模での将来の重要な課題となっていく中で、原子力発電の役割はさらに大きくなっていくはずです。
しかし、原子力発電に関しては反対の立場をとる人たちも少なくありませんね。
早川 発電方法としての原子力の活用は、大きな利点の反面、さまざまな問題もあります。発電により放射性物質である核廃棄物を作り出し、その処理保管場所についても議論があります。また重大な事故が起こった場合、周辺環境への被害が甚大であり地球規模での影響となってしまうでしょう。
確か、1999年に茨城県東海村ではJCO臨界の事故がありましたね。やはり原子力発電は不安が残ります。
早川 JCO臨界の事故では、2名の尊い命が奪われてしまうというとても痛ましい原子力事故が起きてしまいました。IAEA(国際原子力機関)による原子力事故尺度によるとこの事故は、チェルノブイリ原子力発電所爆発事故(1986年)、スリーマイル島原子力発電所事故(1979年)に続いて3番目に大きな原子力事故となってしまいました。ほとんどの原子力事故は、その管理体制のずさんさが招くものです。適切かつ厳重な管理を行えば、原子力発電はクリーンで安全な発電方法なのです。
東京近郊に住まう私たちの電気のそのほとんどは、福島などの東京から離れた場所で発電されていると聞きました。原子力発電所の建設については賛否両論ありますが、設置された地域にはなにか補償はあるのですか。
早川 たしかに発電所を建設することは、電気利用者・電力会社と施設周辺に住む住民との利益・不利益が相応でない場合があります「電気は利用したいが、発電所が近くにあるのはやはり不安です」といった声があるのも事実です。そのため国から「電源立地地域対策交付金」を交付するというかたちで、発電所のある自治体の負担を軽減しています
宮城県の女川原発の耐震性の問題や、原子力発電所がテロの標的となりやすいことなど原発の安全性に関して様々な課題があると思いますが、このような不安を安心に変えられるよう、早川さんには頑張って欲しいです。
早川 はい。電気は私たちの生活を支えるための必要不可欠なものです。電気・エネルギーの安全はすなわち日本の安全ですので、国政の場でもしっかり議論を積み重ね、全力で安全対策を図りたいと思います。
今後の日本のエネルギー政策について教えてください。
早川 今後の対策としてはまず、業務用ならびに家庭用の消費電力を削減してゆく現行政策を着実に推進し、省エネを実現することが大きな課題です。資源小国の日本として、我が国独自で石油資源の開発に取り組む必要があります。その他に、太陽光発電や風力発電、地熱発電などの地球環境問題への対応の観点から、資源制約が少なく、環境特性の良いクリーンなエネルギーである新エネルギーの導入促進、温暖化対策のため、石油・石炭からCO2排出量の少ないエネルギーへの燃料転換などが今後の課題となっております。
エネルギー問題は、世界の国々でも大きな課題となっていると思います。日本も国内での政策のほかに、対外的な取り組みも必要だと思いますが。
早川 今後、中国やインドなどの経済成長が著しい国は、エネルギーの需要も大幅に拡大するものと予想されます。そのため、 エネルギー資源の国際的な獲得の競争が一段と激しさを増すものとおもわれます。日本も安定した電力供給をするため、必要な資源を確保しなければなりません。そのため、アジア地域全体を視野においたエネルギー安定供給の強化に向けた取組みを行うことや、中東産油国との協力関係強化にも努力していくことなどの外交政策を行う「エネルギー安全保障」を築き上げることが重要となって来るでしょう。
なるほど。電気・エネルギーの大切さを改めて実感できました。これらの問題の解決のために、私たちにできることはあ るのでしょうか?
早川 電力・エネルギーの問題は発電所やその周辺の住民だけの問題ではなく、それらを消費する私たち国民すべての問題で す。そのため私たちの身の回りでできることから始めてください。「こまめに電気を消す」「無駄なエネルギーは消費しない」 など、みなさんの普段の電気・エネルギーへの関心と協力がこの問題の一番の解決となるのです。
 
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