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地球環境問題を考える−(1)京都議定書に関する新たな取り組み

2005/12/12

今年は、地球温暖化防止のための京都議定書が発効し、クールビズなどという新しい言葉も生まれ、地球温暖化への国民の意識が変わりましたね。
「愛・地球博」の名で親しまれ、9月25日に閉幕した愛知万博は、自然環境との共生がテーマでしたが、早川さんは行かれましたか?
早川 開会式には出席しましたが、通常国会と総選挙が続いたため、行く機会がありませんでした。
21世紀は環境の世紀と言われ、愛知万博では、独自の自然環境保護の試みもされたようですね。
早川 環境負担の少ない交通手段の利用を促進し、CO2の削減に努め、サブテーマの一つに「循環型社会」を掲げ、リサイクルしやすいように17分類のゴミ箱を設置したり、アスファルトやコンクリート、木材などの建設資材の再資源化率95%を目指すなど、環境に配慮した試みが数多く行われました。「愛・地球博」は、京都議定書の発効とあわせて環境問題を考える上で画期的な役割を果たしたと思います。
ところで、今年はアメリカで相次いで巨大なハリケーンが上陸して、甚大な被害を及ぼしましたね。
早川 地球環境の変化により、地球上ではいたるところに異常気象が起きています。8月末にアメリカに上陸したハリケーン・カトリーナは死者数が約1200人と言う未曾有の被害を出し、他にも中国の干ばつ、ブラジルの大雨・洪水被害、アメリカの寒波・大雪など、世界中で異常な気象が続いています。
異常気象が起きる原因はやはり地球規模での温暖化でしょうか。
早川 厳密の意味ではよくわかりませんが、大きな原因の一つだと思います。人間の身体も高熱が続くとおかしくなってしまいます。なお、環境庁は、2100年までに最悪の場合、地球の平均気温が5.8℃上がり、海面が88cm上昇すると試算しております。
温暖化の影響で海面が上昇し、水没してしまう国家もあると聞きましたが、本当ですか?
早川 本当です。その代表例が南太平洋の9つのサンゴ礁の島からなる国ツバルです。温暖化が海面上昇を引き起こした結果、2002年にツバル政府はニュージーランドに移民を開始し、国を捨てる決断をしました。地球環境を考えない開発がツバルの人々の故郷を奪ってしまったのです。
温暖化対策は日本だけではなく、国際的な取り組みが必要だと思いますが、どうなっていますか?
早川 地球温暖化をもたらす温室効果ガスCO2の排出量は世界全体で241億トン(2002年)に上っており、その内、アメリカ23.9%、中国14.5%、ロシア6.4%、日本4.9%、ドイツ3.5%を占めております。地球温暖化防止のためには世界全体でこの温室効果ガスの排出を抑制していかなければなりません。
今年の2月16日に地球温暖化防止のための京都議定書が発効しましたが、京都議定書の内容を教えてください。
早川 京都議定書は1992年に行われた地球サミットの気候変動枠組条約に基づき、1997年に京都で開かれた地球温暖化防止京都会議で議決した議定書です。1990年を基準年として、各国毎に温室効果ガスの設定削減目標を決め、2012年までに達成しようというものです。日本の削減目標(義務)は6%で、世界全体で少なくても5%削減を目指しています。
アメリカ、中国、インドなど主要なCO2排出国は京都議定書への参加を拒否していますよね。これではますます環境の悪化が進むのではないのですか?
早川 そのとおりですね。京都議定書をめぐっては、温室効果ガスを出し続けて環境を犠牲にしながら発展を遂げてきた先進国と、これから開発を推進しようとしている発展途上国との間で意識の違いや利害の対立があります。どうやってお互いが納得できるシステムを構築していけるかがこれからの課題です。
カナダのモントリオールで行われていた京都議定書の締約国会議が12月10日に終わりましたが、2013年以降の枠組みについて合意ができたのでしょうか。
早川 京都議定書では2013年以降の温暖化対策の枠組みが決まっておりませんでしたので、モントリオール会議では、2013年以降の温暖化対策への枠組み作りが話し合われました。米国や途上国の反対もありましたが、1.2013年以降の先進国の温室効果ガスの削減量の検討を始める 2.今後の対話の結果は新たな義務への交渉につなげない、などの項目で折り合いがつき、『モントリオール行動計画』が採択されました。
スマトラ沖地震の際、インド洋の島国のモルジブは津波により国土の40%が冠水したが、日本の援助で被害が最小限に抑えられたと聞いていますが、本当でしょうか。
早川 本当です。海抜1メートル程度しかない約1200の島々から成るモルジブは、地球温暖化の進行で国全体が沈み、常に海面上昇への恐怖と隣りあわせております。日本は、1988年以降モルジブに防波堤の建設を進めてきました。温室効果ガスを排出している国として、国際的な見地にたって、これからも地球温暖化問題に積極的に対処する精神を忘れてはならないと思います。
世界の国々は本気で地球環境の未来を考えなければならなくなったのですね。
早川 そうです。環境対策なき発展が、どれだけ大きな悲劇を生むかを世界中の人々が認識し始めています。わが国は、アメリカ・中国、インド等世界の主要なCO2排出国が参加できるような、新たな地球環境保護のための国際的枠組み作りに向け、率先して努力して行かなければならないと思っております。