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「英国ロンドンで発生した同時多発テロについて」

2005/07/12-00:00

2012年のオリンピック開催が決まったばかりの英国・ロンドンで7月7日、同時爆破テロが発生しました。
早川 爆発は通勤ラッシュの時間帯である朝9時前後に地下鉄で3回、さらに9時47分にはバスが襲われ、計4ヶ所で起こりました。9日現在で死者50名以上、重傷22名、負傷者約700名と報じられていますが、情報が錯綜しており、被害者はさらに増えるものと見られます。

グレンイーグルスでサミット(先進国首脳会議)が行われている最中で、世界に大きな衝撃を与えました。2001年にもイタリア・ジェノバで開催されたサミットの間にテロが発生し、1名の死者が出ましたが、議長国がこれほど大規模なテロに襲われるのは、1975年のサミット開始以来、初めてのことです。  

サミットに参加しているG8と新興5ヶ国の首脳らは7日、「我々はこれらの野蛮な攻撃を断固として非難する」「一国に対する攻撃ではなく、全ての国、世界中の文明的な人々に対するこのテロに立ち向かい、打ち負かすことを決意する」とテロに対する毅然とした対決姿勢を共有することを表明しております。
今回の爆破テロは誰の仕業なのでしょうか?
早川 “欧州アルカイダ機構秘密組織”を名乗るグループがインターネット上のウェブサイトに犯行声明を出しています。しかし、それだけでは真偽のほどは定かとは言えず、今のところ実際の犯行グループを特定するには至っていません。

かつて英国ではカトリック系過激派のIRA(アイルランド共和軍)がテロを頻発していましたが、犯行予告を出さないと言う点でIRAの手口とは異なると見られています。ブレア首相は7日、テロの実行者が「イスラムの名の下に犯行に及んだ」との見方を示しました。また、ストロー外相は「アルカイダの攻撃であることを示す特徴がある」と言及しています。

4年前、米国・ニューヨークとワシントンDCを襲った『9.11』同時多発テロ以降、イスラム過激派によるものと見られるテロだけでも、02年のインドネシア・バリ島(死者約200人)、03年モロッコ・カサブランカ(同約40人)、そして昨年起こったスペイン・マドリードの列車爆破テロ(同約200人)と今なお悲惨な事件として記憶に残っています。また、イラク国内では国連の現地本部が爆弾テロに遭ったり、自爆テロが頻発するなどの騒擾が続いています。

この数年、こうしたテロのニュースが後を絶ちません。テロは冷戦が終結し、グローバル化が進行したことのいわば負の部分であるといえます。二十世紀は“戦争の世紀”と言われましたが、このままでは二十一世紀は“テロの世紀”ということになりかねません。そうした事態は何としても避けなければなりません。
テロに対抗する有効な手段は無いのでしょうか?
早川 国家と国家が対峙する、古い戦争の時代と異なり、テロにはルールもセオリーもありません。テロリストは姿かたちを見せず、手段を選ばずに平穏な社会に牙を剥いてきます。こうしたテロリズムに対抗する体制を構築することが我々に今求められている重要かつ緊急な課題です。

政府は8日、英国の同時多発テロを受けて、国内の鉄道・道路など交通網や原子力発電所などの警備を強化する方針を決めました。北側一雄国土交通相が国交省のテロ対策チームに鉄道・航空のテロ対策の検討を指示したほか、南野知恵子法相も不法入国の警戒や在留審査の徹底を指示しています。

又、村田吉隆国家公安委員長は会見で「G8(主要国)の在外公館などにも警戒を呼びかけている」と述べ、中川昭一経済産業相は、原発やコンビナート、愛知万博(愛・地球博)の警備を強化する考えを示しました。

そうした対応でテロは完全に防げるのでしょうか?
早川 たとえ万全の態勢を整えていても、残念ながらテロを100%完全に防ぐことは困難でしょうね。
テロが起きる前に、テロリストを叩いてしまうことはできないのですか?
早川 いわゆる脅威の兆候がある場合、予防的に先制攻撃を行ってこれを撃破するという、いわば先制攻撃による自衛という考え方を、『9.11』以降米国は採用しました。

脅威が急迫かつ明確であるという説明がきちんとできるならばともかく、相手が存在するというだけで攻撃していいのかどうかは、議論が分かれるところであり、大変難しいところです。

当分テロの脅威は払拭できないということでしょうか?
早川 今回の同時多発テロでは通常の爆発物が用いられたようですが、今最も恐れられているのは、生物・化学兵器や核兵器といった大量破壊兵器がテロリストの手に渡ることです。

日本ではすでに10年前、オウム真理教の犯行による地下鉄サリン事件が起こっています。大都市の公共交通機関で化学兵器が使用された時の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。テロに接するたびに、我々はやり場の無い悲しみと憤りを感じます。今回のテロについても、決してこれを忘れることなく、世界中が相携えて憎むべきテロの撲滅に一致協力に向け、決意を新たにするべきです。