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国連改革のあり方を問う
 

2007/1/19

国連はいつできたのですか。
早川 国連は、国家間の戦争をなくし、世界の恒久平和を築くために、国際協調を進める機関として1945年10月に51カ国で発足しました。
国連はそもそもどんな役割を担っているのですか。
早川 国連は、(1)国際の平和と安全の維持、(2)諸国の友好関係の発展、(3)国際問題の解決及び国際協力の達成、(4)これらの共通の目的の達成にあたって諸国の行動を調和するための中心となることを目的としております。国連は、国際社会の平和と安全を維持するための唯一の国際機関ですので、国際平和の実現を国是とするわが国として、国連の機能が十分に発揮されるようより積極的に貢献していくべきだと思います。
国連総会と安全保障理事会のそれぞれの役割を教えてください。
早川 まず、国連の総会は、全ての加盟国によって構成される国連の主要な審議機関です。総会は、国連憲章の範囲内の問題や、国連憲章に規定される機関の期限及び任務について討議し、安全保障理事会が実際に審議中である場合を除き、加盟国若しくは安全保障理事会、またはこの両者に対して勧告することができます。
それでは、安全保障理事会はどんな役割を果たす機関ですか。
早川 安全保障理事会(以下「安保理」と言います。)は、国際平和と安全の維持について主要な責任を負う機関と位置づけられております。安保理の主な任務は、(a)紛争当事者に対して、紛争を平和的手段によって解決するよう要請したり、適当な調整手続や解決条件を勧告する、(b)事態の悪化を防ぐため、必要又は望ましい暫定措置に従うよう当事者に要請する、(c)平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、国債の平和と安全の維持・回復のために勧告する、(d)経済制裁などの非軍事的措置及び軍的措置を決定することです。
安保理が国連において平和及び安全の維持に主要な責任を持つということをもう一度説明して下さい。
早川 国連は、安保理にのみ全加盟国を拘束する決定を下す権限を与えております。したがって、その職責は極めて重大です。 特に冷戦終結以降、世界各地で発生している様々な紛争の解決につき国連の果たす役割が重視されており、安保理は、世界のあらゆる地域で平和のための活動を実施することを決定するようになりました。現在、安保理は、北朝鮮、イラク、アフガニスタン、スーダンをはじめ、世界各地における平和と安全の問題にほぼ例外なく関与し、国際社会としての対応を継続的に協議しております。
安保理の決定に基づいて具体的にはどのような活動をしているのですか。
早川 紛争予防のための取組、和平プロセスの仲介、国連平和維持活動(United Nations Peacekeeping Operations、PKO)や平和構築ミッション(Peace Building Missions)の現地への展開などです。
PKOも安保理の決定によるものなんですね。PKOの具体的な活動について教えて下さい。
早川 PKOは、停戦や軍の撤退の監視等を行うことにより、紛争の沈静化や再発防止を図り、その解決を支援することを目的とした活動です。 しかし、冷戦終結以降、世界各地で多様な形態の紛争が頻発するにつれて、その任務は多様化しており、現在のPKOは、選挙、文民警察、人権、難民帰還支援から行政事務支援に至るまでその活動分野が拡大しております。
日本はどのような形でPKOに参加していますか。
早川 日本が本格的にPKOに参加したのは、1989年、ナミビアに27名の選挙監視要員を派遣したことが始まりです。1992年6月には「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」(国際平和協力法)が制定され、PKOに対して自衛隊員を含めて人的貢献を行う制度的枠組が整備されました。 日本は、この法律に基づき、自ら和平プロセスに深く関与したカンボジアで、UNTAC(国連カンボジア暫定機構)に対して停戦監視要員、文民警察要員、自衛隊施設部隊、選挙要員などの包括的な要員派遣を行いました。その後も、この法律に基づき、モザンビークや、東ティモールなどのPKOに各種の要員を派遣しております。現在もゴラン高原の国連兵力引離監視隊(UNDOF)により自衛隊輸送部隊等を派遣しており、平和に向けた国際社会の活動を着実に支えています。また、日本はPKO経費をまかなう「国連PKO分担金」の約2割を負担しており、世界各地の国連PKOの展開を財政面でも支えております。
ところで、安保理の決議と国連総会の決議とではどちらが重いのでしょうか。
早川 先程申し上げたとおり安保理の決定には、国連の全ての加盟国が従わなければなりません。一方、国連の総会決議は、加盟国又は安保理に対する勧告にとどまっております。
そうすると、安保理事会は、国際社会の平和維持に大変大きな責任を担っているのですね。安保理事会のメンバーはどういった国ですか。
早川 安保理事会は常任理事国5カ国(中、仏、露、英、米)と、総会により地域ごとに選出される2年任期の非常任理事国10カ国の合計15カ国で構成されます。わが国は非常任理事国をこれまで9回務めており、これは全加盟国中でブラジルと並んで最多となっています。
日本が安保理事会の中で果たしてきた役割を教えて下さい。
早川 国連は、米国同時多発テロ以降、テロリズムに対処するための国際的な取り組みを強化してきました。日本は2005年から2006年にかけて安保理の非常任理事国を務めました。わが国はテロに対する取り組みを強く支持すると共に、その実施にあたってきております。また、わが国は国連憲章第11条等に基づき、軍縮問題の審議をすすめ、更に「核兵器廃絶」決議案を提出してきました。この核兵器の廃絶決議案は総会本会議で圧倒的多数の賛成で採択されました。その他にも、国連関係機関である国際原子力機関(IAEA)における核問題等の討議にあたって技術的レベルでの貢献をしております。また、対人地雷分野においては、対人地雷禁止条約(オタワ条約)を推進するとともに、資金協力によって、現場での地雷対策支援を積極的に行ってきました。
安保理の今後の課題について教えて下さい。
早川 現在の国連は、第二次世界大戦後の戦勝国家の連合という枠組みをそのまま維持しており、多様化する国際社会の問題に十分対処できなくなっております。すなわち、常任理事国5カ国に拒否権が認められていることから、常任理事国の内一カ国でも拒否権を行使すると国連安保理事会の機能が失われてしまうことが重大な欠陥です。安保理の改革は、安保理の信頼性と実効性の向上という2つの側面から国際社会の急務となっております。
わが国は国連改革にどう取り組むべきでしょうか。
早川 まず、国連憲章の敵国条項を廃止させると共に、わが国が安保理事会の常任理事国になる必要があります。安保理の改革なしに、国連改革は実現しないと思います。わが国は、これまで平和構築、開発、軍縮・核不拡散、テロ対策等の分野で、世界の平和と繁栄に貢献してきました。これからはより一層国際社会に貢献するため、安保理の常任理事国となることを目指していかなければならないと思います。 わが国は、現在の常任理事国とは異なり、核兵器を持たない国であることから、軍縮・核不拡散分野で特に貢献できているのではないかと思います。また、世界第2位の経済規模を有するわが国が加わることで、開発等に向けた国際的努力の実効性の向上も期待できます。 なお、日本の国連分担率は、2006年19.468%(約332.2万ドル)とアメリカに次いで加盟国中2位となっており、2007年以降は16.624%(約332.6万ドル)となっています。 これまでは、各国の様々な思惑が対立し、国連改革が実現に至りませんでしたが、しかし、国連の信頼性や実効性が低下したままで利益を得る者は一人としていません。わが国は国連改革の実現に向けてこれまで以上の努力していく必要があります。
 
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