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道州制について

2006/03/13

3月1日の新聞に、道州制について大きく報道されていましたね。詳しい内容について教えてください。
早川 首相の諮問機関である地方制度調査会は、2月28日効率的な行政を実現するため地方分権を進め、現在の都道府県を統合または廃止して国の権限を道州に移譲していく「道州制」の導入が適当である、という答申を小泉首相に提出しました。
道州制とは何なのですか。
早川 現行の都道府県のいくつかを統合し、新たな「国のかたち」の基礎となる広域の行政体である道州をつくり、これまで全国一律であった国の仕事や権限を移譲し、地域の特色を生かした政策立案ができるようにして地方の自立を目指す構想のことを言います。
日本の場合、「国のかたち」は時代によって認識が違ってきますよね。
早川 幕藩体制が布かれていた江戸時代には、人々の認識では「国」とはそれぞれの藩のことを指す言葉でした。当時最大の石高を誇った加賀藩でも人口は108万人程度でした。小さな藩では数万人程度だったことを考えれば、昔は日本の中に多くの国々が存在して、独自の政治、経済、文化を形成していたのです。
今までの日本の統治構造は、基本的に、国が決めたことをそれぞれの自治体が行うというかたちでしたね。
早川 日本の地方制度は廃藩置県以来、国・都道府県・市町村という三層構造となっており、全国統一的な政策の実施のため、都道府県や市町村が国の出先機関としての役割を担う、中央集権制を取っており、その中で日本は近代化を推し進めてきました。しかし、近年わが国は現在のような成熟社会に変貌をとげており、各地方が独自に政策を展開し、真の意味での住民自治を実現することができるようにする「地方分権」の要求が次第に高まってきました。
道州制の導入は、中央集権型の日本の体制を地方分権型に変えるということでしょうか。
早川 道州制の導入は、単なる地方分権ではなく、地域主権、地方主権の確立の究極の姿です。都道府県制が導入されて120年、そして戦後60年の大きな節目を越えた本年がまさに地方制度の歴史の分岐点となります。
なるほど。ところで、今なぜ、道州制の導入の検討が急速に進められるようになったのですか。
早川 道州制導入の議論の背景には、1. 国と地方の財政危機、2. 人口減少、少子高齢化の進展、3. 人々の社会・経済活動の拡大、4. 住民の価値観の多様化による行政サービスの増大などがあります。時代の変化に即した、新たな地方制度の確立が求められるようになったと言ってよいでしょう。
経済的な視点も必要ですね。一つの道州で、経済がEU加盟国の国々と同じ規模に匹敵すると言われておりますね。
早川 4年前のデータになりますが、道州制が導入され関東地域が一つになるとその経済規模は約1兆5000億ドルとなり、世界第5位の経済規模を持つフランス(およそ1兆4300億ドル)を上回ることになります。他にも、近畿地域は世界第8位のスペインとほぼ同等の6500億ドルとなります。
それは驚きました。独立国並の経済規模を持つ地域が、それぞれの経済活動を自ら自発的に行なうことで、より良い道州制の成果が得られるかもしれませんね。
早川 東京に頼らない、道州独自の経済圏を形成することによって、地域同士による自由な交流も可能になります。さらに一つの道州と諸外国との間の交流も積極的に行われるようになるでしょう。
中国や四国などは関東や近畿に比べてどうしても小さくなりがちですと思いますが、なるべくなら経済規模が偏らない道州の範囲をつくって欲しいですね。
早川 瀬戸内海は、かつては中国や朝鮮と交易を行ない繁栄した地域です。現在でも塩・魚といった海産物の宝庫でもあり、瀬戸内海を経済の原点として、中国と四国を同じ道州に組み込むことを考えることも可能だと思います。ちなみに中国と四国の経済規模はおよそ3500億ドルで、オランダ・オーストラリアに次ぐ経済規模になります。
もし道州制が導入されたら、私たちの生活はどのように変わってくるのでしょうか。
早川 税制・教育・医療・高齢化など、各道州が独自の地域課題に対処しやすくなり、住民のニーズに応えたきめ細かな行政サービスが受けられるようになります。
今まで東京や大阪に集中していた政治や文化が地方に戻り、地域の振興にもつながるかもしれませんね。
早川 道路・鉄道・空港の整備で東京や大阪と時間的距離は大きく短縮されましたが、道州制の導入で国の権限が道州に移ると、それぞれの地域から道州のセンターまでの物理的距離が格段に縮まります。そうすると、地域の身近な行政に国民の声が反映されやすくなり、これに伴って地域独特の政治・経済・文化が産まれてくることでしょう。
現在道州制の導入について、多くの国民が関心を抱いているのは、どの県と一緒になるのかということだと思いますが。
早川 今回の答申では、地理的特性や歴史的事情、人口の均衡等を考慮しながら、全国を9州、11州、13州に区割りする3つの案が示されています。しかし、道州制の議論の核心は、あくまで都道府県に変わる道州にどんな権限を移譲し、どんな道州制をつくるかというところにあります。
どのような権限を道州に移譲することが予想されますか。
早川 今回の地方制度調査会の答申は、河川や国道の管理、運送業の許可、経済施策などをあげております。
今後、道州制の導入に対してどのような取り組みがされるか教えてください。
早川 現在、自民党の公約でもある、北海道道州制特区の推進に向けて今国会への法案提出に向けての作業を進めています。しかし権限を奪われたくない中央省庁の抵抗もあり、又財源の具体的移譲方法など解決すべき課題も数多く存在しております。
早川さんは今月の4日、5日に道州制特区の推進のために北海道に行かれましたね。どのようなことをされてきたのですか。
早川 帯広、北見、旭川、札幌でタウンミーティングを開き、地域政策の専門家、経済界の代表者、住民の代表者等から、現在内閣で進めようとしている北海道道州制特区構想についての意見交換をして参りました。
タウンミーティングに参加されて、様々な声を聞かれたと思いますが。
早川 道州制特区の導入に対しては、賛否両論様々な貴重なご意見を頂きましたが、未だ道州制の必要性について道民の間で十分理解が進んでいないことを実感しました。北海道は、県の合併をしないでも直ちに道州制を導入できる条件が備わっておりますが、一方においてまだ他県並みの自立性や経済的基盤も有していないことが明らかとなりました。国の直轄事業がなければ、必要な国道の維持補修もできないという状況であること等、地元の方々でなければ到底わからない事情もタウンミーティングに出席してはじめて知ることができました。政府としては地域の特性や歴史的特性等を踏まえ、魅力のある道州制特区を提案すると共に、道州制の推進について北海道の方から積極的に提案できる仕組みを設けるべきだと思います。
私たち国民も積極的に道州制の議論に参加しなければならないですね。
早川 その通りです。そもそも道州制は、地域の声、住民の声を行政に反映しやすくすることを目的としております。自分たちで新たな「国のかたち」を作るという、主権者としての自覚と、積極的な参画がますます重要となります。    近代日本を作った明治の先覚者と同じ高い意識をもって、是非新しい国づくりのための「道州制」の議論に加わって頂きますようよろしくお願いします。
 
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