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国民投票法について考える 1. 国民投票権者の範囲をどうするか

2005/10/18

国会で議論されている国民投票とは、具体的にどんな内容のものですか。
早川 憲法96条に定められている、「憲法改正の是非を問う国民投票」のことです。
なぜ今、憲法の改正が求められているのですか?
早川 憲法が施行されて今年で58年になり、憲法が施行された当時から日本を取り巻く国際環境が大きく変わりました。今では、自衛隊が違憲だという人はほとんどいませんが、依然として自衛隊は違憲だと主張する憲法学者もいますし、自衛隊の人道復興支援のためのイラク派遣についても、違憲だから中止しろなどという人もいます。
私は、新しい時代に生きる若い人の目で今の憲法を見直し、本当に自分たちが創った日本国の基本法であるということを実感できるよう、自らの手で「時代にあった新しい憲法を創る」ことを提唱してきました。国会で憲法改正の手続きはどうあるべきかについての本格的な議論が始まったことは、画期的なことだと考えております。
なるほど。憲法改正がいよいよ現実の課題になってきたのですね。国会が発議した憲法改正案について私たちが賛成、反対の投票をすることになるんですよね。国政選挙と同じように20歳以上の国民が国民投票をすることになるのですか。
早川 現在の憲法96条は「この(憲法改正の)承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際に行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」と規定しております。私は本来、憲法の明文の規定で憲法改正の国民投票の投票権者の範囲を規定しておくべきだったと考えておりますが、現在の憲法には明文の規定がありませんので、いろいろな議論が行われております。憲法96条の規定の書きぶりからは、国民投票の投票権者は国政選挙の有権者と同一というのが制定当時の立法意思であったと推測するのが合理的ではないでしょうか。ちなみに、憲法15条では、公務員の選挙について、成人の普通選挙によると規定しておりますので、国民投票の投票権者は、20歳以上の日本国民となると考えられます。
先日、イラクで新憲法草案の国民投票が始まりましたが、それとの比較でわが国の国民投票制度を考えたらよいのではないですか。
早川 イラクの場合、そもそも憲法が存在しない状態から新しい憲法を創るということですので、わが国の「憲法改正のための国民投票」とは性格を異にしております。イラクの場合は、暫定政府の下で本年1月に国政選挙が行われ、これに基づいて成立した暫定評議会で新憲法草案を採択し、この新憲法草案についての国民投票を行うことになりました。ちなみに、18歳以上のイラク在住のイラク国民が、有権者登録をすることにより国民投票の投票権者として認められるという制度になっております。
イラク以外の国でも18歳以上に投票権を与えている国もありますよね。
早川 フランス、イタリア、デンマーク、スイスなど18歳以上に与えている国が相当数に上っております。ですから、日本でもできるだけ若い人たちも国民投票に参加できるようにすべきであると主張されていますが、私は、手続きの混乱を避けるためにも国民投票の投票権と国政選挙の有権者は同一にすることが適当だと思っております。もっとも、国際的な動向を踏まえて、できるだけ多くの方々に憲法改正の責任を分担して頂くという意味で、近い将来、選挙権を18歳以上の人々に認めることにより、国民投票の投票権者も18歳以上とすることが良いのではないかと思っております。
私の高校時代の友人(日本人)が今アメリカに留学しています。彼にも国民投票をする権利が認められるのでしょうか。
早川 私は認めるべきだと考えております。国にとって最も大事な憲法の改正ですので、日本国籍を持っている人ならば誰でも国民投票に参加できることが大原則です。もっとも、海外にいる日本人は約72万人なのに対して国外での投票をするための選挙人登録を行っている人はわずか約8万人に過ぎません。しかも、今回の衆議院選挙ではこのうちの2万1336人しか投票を行っておりません。憲法改正は日本の将来を選択するに等しいことですので、自分が国の将来を決めるという自覚を持って、是非積極的に参加して頂きたいと思います。
私たちも憲法改正の国民投票制度問題に関して意見を述べることができるのでしょうか。
早川 もちろんです。衆議院の日本国憲法に関する調査特別委員会では、日本国憲法改正国民投票制度および日本国憲法に関して広く国民のみなさんの声をお聞きするため、「憲法のひろば」を設けております。 憲法の改正は、日本の政治にとって最大の議題です。法律家として今まで培ってきた知識と経験を最大限生かしつつ、これからもみなさんのご意見に真摯に耳を傾けながら、憲法改正問題について取り組んで参りたいと存じます。