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「4月1日ペイオフ解禁について考える」

2005/03/30-00:00

みなさん、こんにちは。早川忠孝です。

日に日に暖かくなり、各地で花便りが聞かれるようになりました。
進学・進級、就職を果たされたみなさん、本当におめでとうございます。

4月1日からいよいよペイオフが全面解禁されます。3年前に定期預金については既にペイオフが解禁されていたのですが、普通預金や当座預金については実施が凍結されてきました。

これからは、金融機関に預けたお金について、銀行などが破綻したとしても、国または地域の信用秩序に重大な支障が生じると認められないかぎり、保護されるのは1000万円までの元本と、その利息だけになります。

ペイオフ解禁は預金者の不安を煽るだけのことのように感じておられる方も少なくないでしょう。しかし、ペイオフの解禁には、お金を預ける側・預かる側双方に自立を促すという趣旨があります。

これまでは、わが国で金融機関の破綻が生じた場合は、預金は原則全額保護され、破綻した金融機関の資産や負債を引き継ぐ受け皿行が引き続き、銀行の決済機能を維持してきました。全額預金が保証されているような状況下では、モラルハザードが生じます。預金者にしてみれば、経営内容が悪かろうと、少しでも金利の高い金融機関にお金を預けたくなるのが人情でしょう。金融機関にしてみても、実績づくりのためにリスクの高い貸し出しをするなど、健全経営のための努力を怠るような傾向が見られました。

ペイオフの解禁によって、預金者に自己責任による選択が迫られます。経営状態の悪い金融機関には預金が集まらなくなりますし、金融機関にとっては、預金者の信用を得ようとするインセンティブが働き、金融機関の健全化につながります。これまで<絶対安全>な資産運用であった預金そのものが、<相対的に安全>な運用資産になります。結果的に株式や債券などに、これまで預金に回っていたお金がまわることも当然考えられます。

とはいえ、1000万円を超える預金を有している人はごくわずかです。多くの皆さんは、タンス預金の代わりの“便利な財布”として身近で使い勝手の良い金融機関を求めているのではないでしょうか。そうした役割は、当然必要ですし、また「メガバンク(大手行)=安全」というわけでもありません。地方銀行や信用金庫にも極めて優良な金融機関があります。であればこそ、すべての金融機関が経営戦略や財務状況を広く開示して、情報公開に努めることが求められているのです。

今、郵政事業の民営化問題が政治の大きな課題として登場しておりますが、郵便貯金事業のあり方もこういった文脈で考えていく必要があります。日本経済の隅々まで健全な自己責任の確立を根づかせ、国際競争にも十分打ち克つことができるような本当の力をつけることが重要であると考えます。

今回のペイオフ解禁が、国民が他人に依存することなく、自分の目でしっかり物を見、自分の頭で考え、自分が進むべき道を選び、自分の足で歩き、自分の手で自らの運命を切り拓いていく大きな転機になればと思います。